第7章 天 魔 出 来


 第281号     1991年10月8日

宗門の創価学会攻撃の作戦書である「C作戦」の実物が
TBSの「報道特集」において報道された意義は実に大きい

 TBSをキーステーションとする「報道特集」が、十月六日午後六時より放送された。
 近年の創価学会を扱った報道としては、比較的真摯に、宗門と学会のあいだに起きている事態に肉薄しようとする姿勢がうかがわれた。放送時間にも限りがあり、今後の取材ルートを確保しておきたいという配慮もうかがわれるなど、編集にあたって取材者側には相当な制約があったことだろう。
 このように、両派に真っ二つに別れて、利害や主張が真っ向から対立している場合、テレビは一画面一画面の影響が大きいだけに、局側は公平を期すために神経を擦り減らして編集したのではないだろうか。
 そのため、ややもすると公平のみに神経を注ぎ、いまの時代における宗教の存在意義についてのとらえ方が弱いのではないかと思われる点もあった。
 だが、日顕上人が大客殿前を歩いているとき、居並ぶ信徒の最前列で、土下座して合掌唱題する女性の姿をカメラが映し出していた。そして、日顕上人をはじめとする数名の僧たちが、その前を平然と歩き去る姿は印象的であった。
 日顕上人ら宗門中枢の願う出家と信徒の姿が、そこに凝縮されていた。土下座する者の前を悠然と歩ける者など、いまの時代にはまずいないのではあるまいか。
 テレビカメラが、法主に対して土下座し合掌唱題をする信徒の姿をじっと映し出したのは、奇異なものを見たときの条件反射か、あるいは隷属を強いる者への告発であったのだろうか。
 日顕上人は、みずからの健康を誇示するためにテレビカメラの前で歩いてみせた。車椅子の生活をしているといった噂を払拭するためである。ここで念を押しておくが、日顕上人が、大坊など人目につかないところでは車椅子の生活をしていることは、確認されている事実である。
 痛風により、歩行をすれば相当に痛みがある。これは裏を返せば、痛さを我慢すれば歩けるということである。だから、テレビの取材を受けた当日は、無理して大石寺内を歩いてみせたわけだ。ご苦労なことである。
 そのほかにも御本尊様と法主とのあいだにテレビカメラを入れて、勤行中の日顕上人の姿が撮られていた。創価学会を切り崩すためにはここまでやるのか、と改めて日顕上人の異常性を見る思いだった。
 TBSの報道姿勢で、もっとも意図的かつ不公平と思われたのは、八月二十九日の全国教師指導会での日顕上人の発言のうち肝心な後半部分(頭から少しかましてやればいいんだ……)をカットしてしまったことである。
 この後半部分のカットについては、「ここまで取材をしていながら、なぜ?」という単純な疑問を抱かざるを得なかった。後半部分が出れば、日顕上人の人となりが視聴者によく理解できたのではあるまいか。
 一方で、宗門側が一切の混乱の原因としてきた、池田名誉会長の11・16発言も報じられたが、何回聞いても、「どうしてこれが問題にされなければならないのか」といった程度のものであった。
 有無を言わさず総講頭を解任する理由などには、まったくならないことが再確認されただけである。11・16テープが公開されたことは、逆にそれを最大の問題であるとした宗門側の非民主的体質が浮き彫りにされる結果となった。
 それよりもなによりも、この「報道特集」において、「C作戦」の作戦書が画面に映し出された意義は大きい。テレビに映し出された「C作戦」の作戦書の冒頭には次のように記されていた。

     創価学会分離作戦(C作戦)

          〈目的〉
 この計画作戦の目的とするところは、池田名誉会長を総講頭職から解任し、日蓮正宗は、創価学会とは無縁の宗教団体であることを一般世間に公表し、創価学会組織の徹底壊滅を図り、もって純粋なる信仰に基づく金甌無欠の組織の再編成を目的とする。

 以下、作戦の実施について記されており、第一段階、第二段階と作戦展開が記されている。この〈目的〉文中、「創価学会組織の徹底壊滅」を挙げていることが注目される。まさに謀略である。
 また、「金甌無欠の組織の再編成」が目的とされているが、「金甌無欠」とは『広辞苑』によれば、「傷のない金のかめのように、国家が独立強固で、外国の侵略をうけたことのないこと」という意味である。
 テレビ報道により、「C作戦」が公に報じられたことは、実に画期的だった。
 日蓮正宗中枢は、事態混乱の直接的な原因が、この「C作戦」にあるにもかかわらず、「C作戦」が、どのような経路で、いつ宗内に持ち込まれ検討されたのかなど、公式的な発表を一切おこなっていない。混乱の糸を少しでもほぐすためにも、真相を発表すべきだ。
 日蓮正宗宗務院の海外部主任である関快道(東京・仏寿寺住職)が「C作戦」立案において重大な役割を果たしたことも判明している。いつまでもとぼけ通せるものではない。身近な者まであざむこうとしているようだが、そろそろ真相を発表してはどうだろうか。
 昨年(平成二年)夏、宗門中枢の超極秘であったものが、昨年暮れの実行段階で宗外に洩れた。それ以来、この「C作戦」こそ一切の混乱の直接的原因であることが、はっきりしているのだ。
 日蓮正宗中枢は、「C作戦」についての経過を、日蓮正宗僧俗の前に明らかにすべきである。「C作戦」について頬かぶりをして、いかに大義名分をとりつくろおうとしても、誰もそこに正義を見いだす者などいない。
 これだけの情報が公開され、「C作戦」の作戦書すらテレビ画面に大写しにされたのだ。これで民衆を騙しとおせると思ったら、大変な誤算を生むだけである。
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