平成三年六月に総本山大石寺が発行した小冊子『大石寺案内』に掲載された小文「大石寺縁起」の中から、「創価学会の出現による大折伏の結果、唱題の声は日本及び世界各地に湧き起こり」という文が削りとられたことは、先号で述べた。
ところが、この『大石寺案内』では、もっと悪辣な歴史の改竄がおこなわれている。同『大石寺案内』の中に、正本堂について説明した次のような一文がある。
「秀麗な富士の麓に、鶴の羽ばたくイメージをもつ、この大殿堂は、六十六世日達上人が願主、日蓮正宗全僧俗の浄財によって建立されたものである」
明らかな歴史の改竄である。「六十六世日達上人が願主」となっているが、正本堂建立の真実の願主は、池田大作創価学会名誉会長である。これもまたわざわざ改竄したのだ。
『祥』と題する豪華な写真集がある。平成二年十月に総本山大石寺開創七百年を記念して作られた贈呈用の非売品である。この写真集の中に「大石寺建造物解説」との章が立てられ、その最初に正本堂についての解説がある。そこには、
「秀麗な富士の麓に、鶴の羽ばたくイメージをもつ、この大殿堂は、六十六世日達上人が願主、池田大作氏が発願主となり、八〇〇万信徒の浄財によって建立されたものである」
と記されている。要するに、平成二年十月の時点では「六十六世日達上人が願主、池田大作氏が発願主となり、八〇〇万信徒の浄財によって」となっていたものを、平成三年六月の時点で、「六十六世日達上人が願主、日蓮正宗全僧俗の浄財によって」と改竄したのだった。
もっとも平成二年十月、日達上人を「願主」、池田名誉会長を「発願主」とした時点で、歴史改竄の第一歩はすでに踏み出されていた。僧侶たちのあからさまな底意が見える。池田名誉会長の功労の事蹟をなんとしてでも削ろうとしているのだ。
ちなみに、正本堂建立のために集められた御供養の総額は、およそ三五五億円余。うち僧侶および寺族の御供養は一億五七八七万円余。全体の〇・四五パーセントに過ぎない。創価学会員の御供養総額は三五〇億円余。全体の九八・六パーセントである。
日顕上人はこれまでの経過を一切無視、正本堂の意義づけを過去にさかのぼって変更してしまった。戒壇の大御本尊様まします正本堂の意義づけを強引に変更することによって、池田名誉会長を慢心であると結論づけたかったのだ。
みずからの瞋恚の思いを遂げるために、歴史を変えてまで、大功労者を慢心と決めつけ追放しようとした。日顕上人はまれにみる傲慢な権威・権力者であるといえる。
過去にさかのぼって歴史をも変えなければ、猛り狂う怒りを癒すことのできない、慢ずるが故に修羅の虜となってしまった日顕上人。その日顕上人の意を体してか、あるいは日顕上人の池田名誉会長に対する妬みの思いを慮ってか、この小冊子『大石寺案内』の制作者は、戒壇の大御本尊様まします正本堂の「願主」をも変えてしまった。
歴史を改竄し得る者はただ一人、独裁者のみである。ただし、独裁者は必ず滅び、真正の歴史が時の経過とともに自然に浮かび上がってくる。独裁者の試みがことごとく灰塵に帰してきたのも、歴史のいつわらざる真相である。
今さら、念を押すまでもないが、真実の正本堂の願主あるいは発願主は池田名誉会長である。以下にそれを証する文を列記する。
◇昭和四十年九月十日に日達上人猊下の発せられた『訓諭』
「茲に法華講総講頭池田大作、時に感じ、我が総本山に正本堂を建立供養せんことを発願す」
◇昭和四十四年四月六日、総本山虫払法要の砌の日達上人の御説法
「今まさに時きたり、法華講総講頭池田大作先生が大願主となり、事実上の本門戒壇堂である正本堂の建立が進行中であります」
◇昭和四十七年四月六日、総本山虫払大法要の砌の日達上人の御説法
「去る年わが法華講総講頭池田大作先生が発願主となり、宗内純真の人々の浄財により正本堂の建立に着手し、本年十月十二日完成することになっております」
◇昭和四十七年四月二十八日、日達上人の発せられた『訓諭』
「さきに法華講総講頭池田大作発願主となって、宗内僧俗一同の純信の供養により、昭和四十二年総本山に建立の工を起せる正本堂はここに五箇年を経て、その壮大なる雄姿を顕わし、本年十月落成慶讃の大法要を迎うるに至る」
◇昭和四十七年十月二十八日、日達上人の寺族登山の砌の御説法
「立派な正本堂は七年前に、みなさまから大変なご供養を頂戴いたしまして、法華講総講頭池田先生が願主となって、三百五十何億という我々にはほど遠いお金が集まりまして、それをもって正本堂建立に着手し、まる四年の歳月を経て、今度立派な正本堂が建立せられることになりまして、誰が見ても実に立派であり、日本の国はもちろん、世界各国からそれ相当に評価されておる次第でございます」
◇昭和四十七年十一月二日、第三十五回創価学会本部総会に於ける日達上人の特別御講演
「七年前、会長池田先生が、わが、総本山大石寺に正本堂を建立寄進する大願を立てられ、それより正宗信徒八百万の浄財を集め、いよいよ正本堂建立に着手してから満四年を経過してここに完成し、本年十月一日めでたく完工式が行なわれました」
◇昭和四十八年五月二日、日達上人の富士山下之坊落慶入仏法要での慶讃文
「爾来六百四十年の星霜を過ぎたるに寺域も発展せざりし所茲に法華講総講頭池田大作大願主となりて大石寺に正本堂を建立せられたるに当り」
先師日達上人の『訓諭』『御説法』『慶讃文』『御講演』ことごとくを踏みにじっているのが、現在の総本山大石寺のやり方である。先師の御業績、御指南をすべて抹殺して、何が「法水写瓶」「血脈相承」であろうか。皮肉なことに、池田名誉会長の功績を抹殺しようとすれば、先師を否定することになるのだ。
日蓮正宗中枢の犯している師敵対の罪は重い。
