月刊誌『新雑誌X』(五月号)に、山崎正友の部下・梅沢十四夫が「工藤白雲こと梅澤唯史」のペンネームで、「『福田』の真相を告発する昨日の同志 南条白山君へ」と題する「特別手記」を書いている。梅沢十四夫の肩書は、「元・日蓮日興会機関誌『福田』編集・発行人」となっている。
南条白山こと渡辺隆(埼玉県朝霞市在住・元地区部長)と、梅沢十四夫の二人は、一昨年(平成元年)の暮頃より「日蓮日興会」と称する反創価学会の謀略組織を作った。梅沢の背後には山崎正友がいる。その山崎は、反創価学会の動きをする者たちのあいだに梅沢をたえず出入りさせ、情報の収集と操作、煽動にあたらせてきた。
「日蓮日興会」ともっともらしく名乗ってはいるが、山崎正友のダミー的な動きをしていた謀略組織である。だがおそらく、梅沢十四夫が山崎と緊密に結ばれていただけで、渡辺はその実情を知らず利用されていた可能性が強いと思われる。そして、この「日蓮日興会」こそ、創価学会批判の雑誌『福田』の発行母体である。
『福田』の創刊号は、昨年(平成二年)の二月に発行された。この創刊号には元創価学会副会長・福島源次郎へのインタビュー記事が十八ページにわたって掲載されている。
山崎は身を隠し、『福田』の編集部を通して福島のハラをさぐり、近況を知り、じっと様子をうかがっていたものと推定される。山崎は機を見ながら、最も効果的に福島を創価学会にぶつける方策を練っていたことだろう。
この『福田』創刊号に、福島源次郎が、インタビューというかたちであれ登場していたことが、この謀略雑誌『福田』にハクをつけさせた。そこで『福田』第二号で、創価学会副会長を名乗る牧田隆(匿名)という人物が、十八万体というニセ特別御形木御本尊が創価学会の手によって偽造されたという、まったくのデッチ上げ手記を書いた。本紙既報(第八号)のとおり、この「牧田隆」は、諸々の情報から山崎正友の部下である。
また、『福田』第二号ができてもいないうちに、牧田隆のインチキ手記をワープロで打ってコピーしたものをマスコミに持ち歩いた者がいる。段勲である。
段は複数の週刊誌編集部に、この手記が大反響を呼んでいるかのように言いつのり、みずから記事を書いた。創価学会が特別御形木御本尊を偽造し、学会員に売り、大変な金を儲けたという、実に悪質なデッチ上げ記事である。
この『福田』には、創刊当初より、高橋公純(本応寺住職)と段勲が深く関与している。高橋公純は創刊号では、「連載第一回 日蓮大聖人伝『見聞録』」と題する文を、第二号では巻頭言「蘇れ!!『福田』の思想」と「連載第二回 日蓮大聖人伝『見聞録』」の二つの文を寄稿している。
高橋や段は、梅沢あるいは『福田』を通して山崎正友に操られていたのだ。しかも高橋が寄稿をし、段が『福田』の提灯を持ったインチキ記事を書いたというだけではない。山崎正友は『福田』や梅沢を媒介に情報操作をもおこなっている。
ここに「山崎正友→梅沢十四夫→高橋公純→日顕上人および日蓮正宗中枢」という操作情報のルートが完成していた。それ以外に「山崎正友→段勲→高橋公純→日蓮正宗中枢」というルートもあった。
さて月刊誌『新雑誌X』五月号に話題をもどそう。
梅沢十四夫は、この『新雑誌X』の「特別手記」において、かつて『福田』をともに作った南条白山こと渡辺隆を批判しているのだ。渡辺が最近、梅沢のことを創価学会のスパイだとふれまわっていることに反発したものである。
梅沢はその「特別手記」の中で南条こと渡辺に対して、「南条君、ミニコミ雑誌『福田』は、いわば君と私の二人三脚で造り上げたものでしょう」と、『福田』第三号なるものを渡辺が梅沢に相談もなく出版したことに抗議するくだりで述べている。
また、富木白峰の名で『福田』に書いていたのも渡辺であることを明かしている。渡辺と梅沢の二人で「南条」「工藤」「富木」などの大聖人御在世中の大信者の名前を使い分け、ミニコミ謀略雑誌『福田』を実力以上に大きなものに見せようとしたのだ。
だが、この梅沢手記の中で最も注目されるのは、梅沢が『福田』編集にあたって入手していた、戸井田巌の生原稿のコピーが公表されたことだ。『地涌』編集部はこれまで、戸井田巌は高橋公純であると断定してきた。果たして戸井田巌の生原稿の筆跡はどのようなものだっただろうか。
『新雑誌X』の編集部は、戸井田巌の生原稿と並べて高橋公純の生原稿を載せている。筆跡はまったく一緒である。『福田』に執筆していた戸井田巌は高橋公純であることが、物証をもって立証されたのである。
梅沢の「特別手記」には、もう一つ興味ある手紙のコピーが紹介されている。このコピーは、「某氏がくれたファックスの手紙 今は私のことをスパイと信じている」と説明がしてある。
手紙には、「極悪人の梅沢さんは、絶対に成仏しないと私は思います。私も成仏したくはありません。一緒に地獄へ行きましょう。だからこそ、日蓮正宗と猊下の為、命を投げ出して頑張りましょう」(一部抜粋)となっている。
この手紙の筆跡は高橋公純のものではない。先ほど紹介した説明文以外に、この「ファックスの手紙」についての記述は、梅沢の「特別手記」の中にはない。なんら脈略もなく、唐突に一枚のファックスのコピーが出されているようだが、手記中、梅沢をスパイだといっている者の中に「某師が入っていたことはショックでした」と書いている。「ファックスの手紙」の発信人の「某師」は、日蓮正宗の福田毅道(元・海外部書記)である。
となれば梅沢は、日蓮正宗の中枢につながっている高橋公純以外の別ルートを持っていたことになる。いやいや「梅沢」という表現は適切でない。山崎正友の日蓮正宗中枢に至る情報収集と操作のルートに、高橋公純ルート以外のもう一つのルートの存在が推測されるのである。複数のルートから情報収集をし、操作情報を吹き込んでいたとしたら、日蓮正宗中枢は山崎正友の奸計にまんまとはまってしまった可能性が大である。
