第2章 持 者 能 忍


 第69号     1991年3月10日

「三代会長をささえていけば必ず広宣流布はできる」
この戸田会長の言葉に背き三代会長が敵とは何事か

 この対談(『月刊Asahi』四月号掲載の龍・福島対談)の中で傑作がある。
 戸田会長が広宣流布における敵について語られたことを、龍が回顧しているくだりだ。
 「三月一日の式典での戸田先生の講演は、『目標はすべて達成した。もう思い残すことはない』という趣旨でした。仏法でいう所願満足なんですね。私は非常に驚きましてね。先生が宿坊に引き揚げてからさっそく、『先生、学会の敵は何ですか』と聞いたんです。これまで私は先頭に立って学会の敵と戦ってきましたから、お話を聞いて前途に敵を見失ったような思いがしたんです」
 龍の暗愚の程度を知ることができる。戸田会長が死の一カ月前に、「目標はすべて達成した。もう思い残すことはない」と生涯の願業を総括し話されたことに、龍は深く思いを致すことができない不肖の弟子なのである。
 それはそれとして、戸田会長の、「敵は内部だ」という言葉を、「何のことはない、学会の敵というのは池田大作だったんですね。それが先生の遺言だったことが最近、分かった」などと語っている。戸田会長と池田名誉会長の師弟の絆は、三世にわたる仏法上の不思議である。以下の戸田会長の言々句々にそれを感ずることができる。
 昭和二十六年七月十一日、当時、東京・西神田にあった創価学会本部において、男子青年部部隊結成式がおこなわれたが、そのときの戸田会長の指導はいまだ不朽のものである。
 「きょう、集まられた諸君のなかから、かならずや次の学会会長が、現れるであろう。かならず、このなかにおられることと信ずる。
 広宣流布は、わたくしの絶対やり遂げねばならぬ使命であり、各自にその尊い地位を自覚してもらいたい。
 近くは明治の革命をみても、原動力は青年であり、はるか日蓮大聖人様御在世のときも、御弟子の方々は、みな青年であった。どうか、諸君の手で、この尊い大使命を達成していただきたい。
 われわれの目的は、日本一国を目標とした小さなものではなく、日蓮大聖人様は、朝鮮、中国、遠くインドまで、大白法を伝えるようご命令である。
 きょうは、この席から、つぎの会長たるべき方にごあいさつ申しあげ、男子部隊の結成を心からお祝い申し上げる」
 このとき、池田名誉会長は、男子部の班長として出席していた。また、「朝鮮、中国、遠くインドまで、大白法を伝える」という日蓮大聖人の「ご命令」を実行したのは、まぎれもなく池田名誉会長ただ一人である。ほかには誰もいない。
 また戸田会長は、昭和二十七年二月十七日、常泉寺における青年部の会合で、「いまの牧口門下が、わたくしをささえるように、三代会長を、戸田門下がささえていきなさい。わたくしは広宣流布のために、身を捨てます。その屍が、品川の沖に、また、どこにさらされようとも、三代会長をささえていくならば、ぜったいに広宣流布はできます」と断言している。
 ことに「三代会長をささえていくならば、ぜったいに広宣流布はできます」との一言が強烈に響く。
 龍はどうして、敵は池田名誉会長であると結論するのだろうか。ましてみずからが対談の中で、池田名誉会長は、皆が逃げだす中、「戸田先生のいちばん苦しいときにそばで守った」、あるいは「折伏成果の上がらない地域へ行くと、とたんに成績が上がった」と明言している。
 難にあってそばで仕え、師の命令一下、折伏戦にあって一大闘将であった。これ以外に師弟の要件があろうか。「敵は内部にあり」とは、山崎正友であり、原島嵩であり、龍年光であり、福島源次郎であり、それに従う眷属の者たちである。
 さらに龍と福島は、「内部」という言葉から宗門という意味をはずそうとして、次のように話している。
 「福島 池田大作さんは、その『内部』を『宗門』(総本山)と言い換えていました。われわれはそう聞きました。特に十年前の宗門問題のころです。
 龍 そんなこと言ってたかね。とんでもない。宗門はあくまで学会の外部であって、学会の敵は学会の内部なんだ」
 創価学会員で宗門を「外部」だと考えている者などいない。日蓮大聖人の仏法においては当然のことながら同類である。まさに「日蓮が弟子檀那」と称されているごとく同類なのである。また、法難といった次元で論ずるにあたって、宗門を「外部」だとする根拠はどこにもない。
 戸田会長は「寸鉄」の中で、
 「宗会議員諸公は平左衛門の後身か。事情も調べず義理もたださず論告するとは」
 「平左衛門の後身宗会議員と現る。仏恩広大にして、逆縁の輩、今大聖人様の仏法の中に生まれて、唯一人の大信者をそねみ恨む、習性恐るべし」
 とも記されている。これを記されたのは狸祭り事件のときである。宗門の証拠捏造によって戸田会長が理由もなく罰せられたときで、宗門の創価学会に対する理不尽な攻撃と戦っていたときだ。戸田会長率いる創価学会は、このとき最大の窮地に立たされていた。
 この法難にあたり戸田会長は「寸鉄」において、日蓮大聖人のご在世中の逆縁の輩が日蓮正宗の中に潜んでいることを示している。まさにこの実例が示すように、「敵は内部にあり」の「内部」から宗門を除外することなどできないのである。
 そして、現在もなお、日蓮大聖人の時代に「権威」「権力」をもって弾圧をした者たちが、習性捨てがたく、同様の手口でもって地涌の流類を圧迫してきているのだ。
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