宗門と創価学会の問題が表面化する以前、猊下が池田総講頭を罷免すれば、創価学会内部の反池田名誉会長派の幹部たちが多数決起して、雪崩をうって本山に駆けつけるなどといった分析を猊下側近ではやしていた者がいた。
ところが、池田総講頭を実質的に罷免してみせた今日になっても、創価学会の主な幹部は誰も猊下のもとに駆けつけていない。また高橋公純やその実弟である雑誌記者の段勲の喧伝していた、創価学会内に潜むという反名誉会長の副会長とやらも正体を現していない。
この状況を見て猊下側近の中には、高橋・段兄弟がしばしば引き合いに出す、親猊下・反名誉会長というふれこみで内通してきていた副会長というのは、実在しないのではないかとの不安を抱く者が出はじめた。
それでは、今までいろいろな創価学会中枢の情報とやらを、高橋・段ルートやその他のルートで宗内に入れてきていたのは何者なのか、今になっていぶかっているのだ。
これが何者なのかを解くことは、一連の問題の本質を見きわめるうえで最重要課題だ。この男の正体については後日、詳述したい。またその作業の中でおのずと、雑誌記者・段の、仕掛人としての姿が鮮明になってくることだろう。
正月明け、さまざまな雑誌が、学会中枢の幹部の造反を書きたてることは目に見えている。当然のことながら、段自身がそのキャンペーンの中心となる。だが、そうだからといって、副会長級の大量造反者の実在にはつながらない。すべて終えてみれば、一犬、虚に吠えるの様相であったと総括することになりかねない。
さてこれまで宗内に入っていた、とある副会長の情報が、御法主上人猊下と名誉会長をぶつけるための操作情報だったとすれば、猊下側近はまんまとそれに乗せられたことになる。だがこの状況下では気づかぬふりをして、法戦という錦の御旗を立ててぶつかるしかないだろう。
また創価学会を離反した大物幹部にも、宗門中枢は期待するところ大であった。たとえば福島源次郎・元創価学会副会長、藤原行正・元公明党東京都議会議員、大橋敏雄・元公明党国会議員などである。
一説によれば、福島以下三千人、藤原以下六千人ぐらいの脱会者が本山につくといったことも話されていた。
だが現実はどうなのか。福島以下十数名、藤原は妻と次男、大橋は妻と長男と数名といったところ。それぞれ既に本山や末寺などに出入りしはじめているが、期待が大きかっただけに、手勢の少なさに宗門中枢は愕然としている。
福島は自分のみがいつもきれいで、陽が当たっていなければ気のすまぬ男。慕う者は意外に少ない。
藤原は池田名誉会長を亡き者にして、次男の範昭を創価学会の会長に据えようとした野心家。そのために暴力団幹部のMに創価学会名誉会長の殺害を依頼していた。ところが昨年三月その事実が明るみに出、世情を騒がせた。ためにマスコミも恐れて相手にしなくなり、一緒に反池田の運動をしていた大橋も袂を分かった。
大橋は現在、地元・福岡県に帰っている。昨年の十二月、反創価学会の意志もあらわに地元・日蓮正宗の法霑寺に出入りを始めた。その法霑寺の住職は、福岡布教区の支院長であった秋山孝教氏。大橋が有名な反学会の造反者であるから、秋山氏が寺に迎え入れたということは、はっきりした意図があってのことと思われる。秋山氏は大橋が出入りしはじめて三日後に亡くなった。
ともかくも現在、本山中枢が期待していた創価学会最高幹部の大量の離反も、造反者たちの数千名の信者を連れての帰伏も起きていない。猊下のご機嫌をとるために耳あたりのよい状況分析をしていた者たちが、宗内で処断される日も考えられる。
