第1章 謀 計 発 覚


 第5号  1991年1月5日

日蓮正宗自由通信同盟

アメリカの信徒組織(NSA)を取り込もうとした
猊下の御言葉は果たしてあったのか、なかったのか

 日蓮正宗と創価学会の対立が深刻化すれば、当然のことながら海外の信徒組織の帰趨が関心事となる。
 昨年十二月二十八日、つまり宗門が池田大作総講頭を実質的に罷免した翌日、ロサンゼルス妙法寺の山田容済住職は、アメリカの信徒組織のトップであるNSA(アメリカ日蓮正宗)のジョージ・M・ウイリアムス理事長に、
 「猊下のメッセージを伝えます」
 と前置きして次のように伝言した。
 「若しものことがあれば安心して、宗門についていらっしゃい」
 このことに対してウイリアムス理事長は直接、日顕上人猊下に抗議した。その後、山田容済住職は、海外部の福田毅道書記が猊下の言葉を取り違え、私(山田住職)に伝言を依頼したものだとウイリアムス理事長に伝えた。
 その間のやりとりは、後に紹介する手紙を見れば一目瞭然なのでそれを参考にしていただきたい。
 手紙を見れば、猊下側近が、猊下の言葉でないものを猊下の言葉として伝え、猊下に大恥をかかせたことになるのだが、いまだに当の海外部の福田書記が処分された様子はない。それに比べて山田容済住職の動揺ぶりは、手紙の文面からするかぎり相当なものである。
 要は、ウイリアムス理事長を取り込めなかったことで猊下の御勘気をこうむり、なんとか場をとりつくろうことになったと推測するのが無理のない見方か。

【参考資料1】
1990年12月30日
 日蓮正宗総本山大石寺第六十七世 日顕上人猊下
 一昨夜、12月28日、午後11時頃、自宅で唱題をして居りました時、ロサンゼルス妙法寺山田容済住職より「猊下のメッセージを伝えます」とのお電話を頂きました。「若しものことがあれば安心して、宗門についていらっしゃい」との事でありました。
 私は、NSAの責任者であり、池田先生の弟子であります。入信以来38年、渡米留学そしてあらゆる激励を頂いた池田先生を離れる事は考えられません。又、SGI(筆者注 創価学会インタナショナル)として、これからも信心を貫いてゆく事は当然であります。
 このメッセージは「SGIを離れなさい」又、「池田先生と離れなさい」と言わんばかりの猊下のお言葉であり、私としては心外であります。かつての檀徒作りと同じ事を猊下がなされるのでしょうか。この事からも今回の池田SGI会長の総講頭の資格剥奪も極めて陰謀的な感じを深くするものであります。
 血脈付法の御法主上人の言動とは思われません。私の心情を述べさせて頂いて抗議申し上げます。
NSA理事長 ジョージ・M・ウイリアムス

【参考資料2】
  お 詫 び
 他日は、電話にて大変失礼致しました。
 奥様はじめ御家内御一同様には、御健勝の御事とお慶び申し上げます。
 猊下は、ウイリアムス理事長からの手紙を御覧になられ大変驚かれたそうであります。
 御自身は「若しものことがあれば安心して、宗門についていらっしゃい」と言った覚えは全く無いとのことであります。
 事の真相を調査してみました処、猊下が何事か起こった時に、ウイリアムス理事長並びにNSAを心配される御言葉を述べられた折り、側にいた福田書記が、早合点し、猊下の御言葉を私情で解釈して、私山田容済に伝えたのであります。
 私は、福田書記の言葉通りウイリアムス理事長にお伝え致しました。
 以上が今回の事の真相であります。
 猊下の御言葉を私情で解釈した福田書記並びに私自身誠に申し訳なく幾重にもお詫び申し上げる次第であります。
 本当に申し訳の立たないことを致しました。ウイリアムス理事長の仰せの通り、血脈付法の御法主上人の言動では無いことを重ねて銘記致します。
 取り急ぎ御報告旁衷心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。
 末尾乍ら、これから大変な局面を向(ママ)える折り、御身御自愛の程願い上げます。
 奥様に呉々もよろしく御伝え下さい。
 12月31日
山田容済拝
 NSAウイリアムス理事長殿
 追伸 拝眉願えれば土下座してお詫びしたく存じます。尚、御法主上人猊下には、登山の折り御目通り許されれば、重々にお詫び申し上げる所存でございます。
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